有機栽培用水田除草機の実演会を開催しました
国は令和3年に「みどりの食料システム戦略」を策定し、令和32年までに有機農業の取組割合を全耕地面積の25%(100万ヘクタール)に拡大する目標を定めています。農業が主要産業である津南町において、有機農業の推進を図るためには、一番の課題である水田除草の技術確立を行う必要があり、近年は様々なメーカーから水田用除草機が発売されていることから、6月17日(火曜日)に町内の有機米栽培ほ場で最新の水田用除草機3機種の実演会を開催しました。
当日は梅雨時期の晴れ間の中、町内外の農業者や関係者等約50名が集まり、各メーカーの担当者から除草のしくみや効果的な使用法を説明いただいた後、ほ場内で機械を動かす実演が行われました。
実演を行った機械は以下の3機種です。
(1)株式会社ソルトフラッツ 自動除草ロボットSV01
(2)株式会社イセキ アイガモロボIGMA2
(3)株式会社みのる産業 ブラシ水田除草機BW-4A
(株)ソルトフラッツ 自動走行除草ロボットSV01
トップバッターは株式会社ソルトフラッツの自動除草ロボットSV01です。機体後部に付いたワイパーが高速でスイングすることで雑草を根から浮かせて除草します。動作はラジコン操縦に加え、みちびきとGPSでの自動走行が可能で、1回の充電で約3.5時間稼働し、40~50aをカバーします。駆動輪や除草装置は水位や田面の凹凸に合わせて自動的に上下するので、安定した除草効果を発揮します。ロボットが走行した後の水面には発芽したての幼植物が浮いているのが見え、確実に除草を行えていることが目視できました。
株式会社イセキ アイガモロボIGAM2
2番目は、株式会社イセキのアイガモロボIGAM2です。アイガモロボは、アイガモを水田に放すことで雑草の繁殖を抑える「アイガモ農法」をロボットで実現しようと開発されました。車体下部のブラシで水田の土を巻き上げ、水を濁らせて太陽光を遮ることで雑草を光合成しにくくするとともに、雑草の種を土中に埋めて発芽できないようにします。ロボットはソーラーパネルで発電しながらまるでロボット掃除機のような動きで水面を縦横無尽に動き回っていました。参加者からは、「ロボットを水田に放すだけで抑草ができるのなら究極の省力化だ」との声が聞かれました。
株式会社みのる産業 ブラシ水田除草機BW-4A
最後は、株式会社みのる産業のブラシ水田除草機BW-4Aです。この機械は、歩行型で一度に6条の除草が可能です。前後2列に配列したブラシが左右に揺動することで、株間と条間の除草を行います。歩行型のため、自動走行ロボットに比べ時間と労力はかかりますが、稲や雑草の生育状況を見ながら除草強度を調整できることがメリットです。ロボット除草機と組み合わせて除草の仕上げに使用することで、省力化と除草効率を両立することが可能と思われます。
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